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好きな仕事をして10年。持ち物と財産はカバン1つ(ミニマリストではない)

外資系企業 突然 首になる

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ずっと海外の会社で働きたくて念願の海外企業に就職できた。

 

 

思い立ってから約3年

じっくり準備をして無事にビザや全てのステップをクリアし働き始めて4ヶ月経つだろうか。

慣れない環境と仕事のスタイル、文化の違い、言葉の壁がありながらも必死に仕事をしていた。

 

言葉のハンデや外国人というハンデもあるので周りの人よりもプラスαの仕事をしようと奮闘する毎日が続いていた。

 

 

 

最初の頃は失敗が多くトライアンドエラーを繰り返していたが徐々に慣れてきた。

今日は仕事も順調に進んでいたので翌日には進捗を上司に報告できるように準備をしていた。 

 

 

 

 

今日の仕事も残り2時間で終わろうかというとき

突然、マネージャーに呼び出された。

 

 

何だろうか

 

 

 

「怒られるのかな。」

そんなふうに思いながらミーティングルームに向かった。

 

 

 

 

部屋に入るとクルーマネージャーと部長が既にいる。

一枚の紙を渡された。

 

「あなたの雇用は今日で終わりです」

 

とのことだ。

 

 

 

頭が真っ白になる。

こんな経験は初めてだ。

 

 

何が起こったのか理解するのに精一杯。

「冷静になれ 冷静になれ」と自分に言い聞かせる。

 

上司から解雇理由を告げられる。

 

解雇理由を言われたが悔しかったので、

 

したたかに

「もう一度チャンスをくれませんか? 改善して一からやります」

と告げた。

 

 

しかしビジネスなので無理とのこと。

 

 

まだ自分の実力を発揮出来ていなく不完全燃焼のまま去るのは嫌だった。

そして恥ずかしいし、みっともないし、自分の小さなプライドは粉々。

 

 

 

 

でもまだほんの少しでも可能性があるならと思い全てのプライドを捨てて

「給料とポジションは下げても良いので簡単な仕事があればやります」

とスーパーダサい提案をして見た。

ダサい。ダサすぎる。

 

もうこれ以上みっともないことはない。

敗北した負け犬なりにお願いしてみようと覚悟を決める。

 

 

 

しかしそのお願いは無残にも相手には届かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「部屋の外にあなたの荷物が段ボールに入っています。セキュリティーカードを返却しすぐに出て行くように。」

 

 

「あなたに選択肢はない」

 

 

 

と強い口調で言われる。

 

 

ドアを開けるとよくアメリカ映画で見る段ボールに私物が詰まっている。

リーマン・ブラザーズが破綻してリストラされた人たちが段ボールを持っている光景を目にした人は多いだろう。

 

 

 

私の性分なのかピンチになると色々面白くなってしまう癖がある。

目の前にアノ段ボールがあってちょっと感動してしまう。

 

 

 

「記念に写真撮っていいですか?」

と聞こうと思ったがそんな雰囲気ではなかったのでおとなしく退散することにした。

同僚やお世話になった人たちに挨拶をしたいと思っていたがそれすら許されない。

 

 

周りの同僚は急に僕が消えたことをどう思うのか。

ポッカリ空いた座席を想像したら可笑しくなってしまった。

僕と仲が良かったフランス人、メキシコ人、スウェーデン人の同僚は空席を見てどんなリアクションをするのか、、、

 

 

 

リストラ専門のスタッフと共に会社のエントランスまで同行される。

解雇を言い渡されてから会社を出るまでのほんの15分、

強い口調と高圧的な態度で犯罪を犯した犯罪者のように扱われる。

 

こんな扱いを受けたことは人生で一度もなかったのでとても不快な気分だ。

 

 

流石に手錠をはめられることはなかったが、あってもおかしくはない位に高圧的な雰囲気だ。

 

 

もうこの際だからロープで縛ってもらっても構わない。手錠も目隠しもやってくれ。

 

 

 

毎日希望を持って通った道を絶望的な気持ちになりながら歩く。

同じ道であっても状況によって全く違う道に感じる。

 

もし映画だったら、

雨が降ってズブ濡れになりながらトボトボと歩きショーウィンドウに写った自分の姿を見て更に落ち込む。 

 

そんなシーンにお似合いなシチュレーションだ。

 

残念ながら期待した雨は降らず氷点下−5度の突風が吹き荒れる中の撤退となった。

 

 

 

 

だんだん悔しさと情けない気持ちでいっぱいになってくる。

 

日本では部下がいて、どこの会社でも貢献でき重宝されてきた自信があった。

学生時代にやったアルバイトでもすぐに社員に誘われたり、接客のコンテストで2位になったりと器用に働けてきた。

 

アメリカの誰もが知っている一流企業でも実力を認めてもらった経験もあり、どこへ行っても社会に貢献できると思っていた。

この会社でも自分の実力を発揮して一人のプロとしてやっていけると希望を持っていたのだ。

 

しかしほんの数ヶ月でブザマに敗北をし会社をあとにすることになる。

ちゃんと良い成果を出せず貢献できなかった事実をしっかり受け止めなければいけない。

 

とても惨めでダサい、かっこ悪い。

 

 

 

 

 

そんな自分を見るのは久々だった。